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事例

三人娘のキジムナー

三人娘のキジムナー

 キジムナーというのは、昔からある大木の木の精ですが、私も一回押さえつけられうなされたことがあります。これは、私が二十歳ごろじゃなかったかと思います。まだ夏の夜が明けないうちに鰹釣りをしに沖へ出るつもりで浜まで行ったら、船の出る時間まで余裕がありましたので、友だちと3名と浜の砂っ原に寝ていたんです。あの時分は、渡嘉敷村では金もうけになる仕事があまりなかったもんですから、薪を山から切り出してきて船に積んで那覇なんかに売りに行っていたんです。その薪が浜にいっぱいに並べて積まれてあったんですが、その近くに3名寝ておったら、ちょっと夢を見たんです。頭のそばで浜の砂利か何かガラガラするので、目が覚めきらないうちにですね、目を細めて見たら、若い女が3名、亦い風呂敷を頭から被り、薪を頭に乗せて持ってきて、私たちに投げつけたのです。その薪が投げつけられたときに目を覚ましたんです。「遊ぴましょう」
と言うもんだから、「君たちはどこのだれか」 と聞いたら、「私たちのお家はイヒッピー(※1)にあるウスクの根っこですよ」 と言われたことを夢に見たわけです。イヒッピーといったら、そこは元の鰹製造場の付近を流れている川です。それから、私だけがこんな夢を見たのかと思っていたら、3人が3人とも同じ夢を見ていっしょに飛ぴ起きたので、気味が悪くなってそこから逃げ出し、それから、鰹製造場に行ってちょっと休んでいるうちに、時間になったので船に乗って鰹釣りに行きました。
 翌日、若い女たちが住んでいると言ったイヒッピーへ行って見たら、3名が夢でみたような大きなウスク木があって、その根っこはなるほどキジムナーでも住んでいそうな形をしていました。

字渡嘉敷 与那嶺勲(明治35年7月28目生)昭和55年2月14日聴取
※1.イヒッピー
港側にある、現在浄水場のある付近の畑をイヒッピー畑(ばる)と言い、そこを流れている川のこと。

解説

 キジムナーとは、沖縄で良く知られている妖怪である。
今はどの地方でも、沖縄本島中・南部の呼称であるキジムナーで通用するようになったが、近年まで、沖縄本島北部の伊平屋村ではアカカナジャー・フィーフー、伊是名村ではアカブサー、国頭村・大宜味村・東村ではブナガヤープルパカヤー、名護市ではヤンバサカー・ボージマヤー・カムローグワー・シノーラー・スノールキジムン、本部町・今帰仁村・伊江島ではシェーマ・セーマ・カムラグヮー、カムローグワー、金武町ではガヤプヤーと呼ばれ、沖縄本島中部の勝連半島及びその近くの離島ではフカゾークークー・ヤチバー・ウンサグワー・ケンケンジムナー・イッチョイグワー、中城村ではカーガリモー、沖縄本島南部の南風原町、玉城村でばマージャ、久米島ではマア・キムナー・カーカプロー、宮古島諸島ではマズムヌ・インガマヤラウ、八重山諸島ではマア・マンダー・マージヤッピー・マンジャー・マンジー・カムラーマ、キディムヌ・マディムヌと呼ばれていた。

 その由来も粟国島では人間以前の居住者と言い、伊江島や宮古諸島では死者あるいは子供の死者、糸満周辺や中城村で溺死者など多様であるが、今は多くの地方で、木の精霊と思われ、その住処はガジュマルなどの大木ということになっている。しかし、伊平屋、伊是名、粟国、座間味、伊江島などの離島では、海岸近くの洞窟がその住処であり、宮古では墓場がその住処になっている。形態もまた赤い髪の毛をした赤子のような大きさというのが一般
的であるが、粟国島では禿げ頭と言い、久米鳥では河童と同様に頭に皿があり、その水が枯れると元気がなくなるとも伝えている。
ただし、蛸、鶏と屁が嫌いというのは、各地共通である。伝承が衰退した沖縄本島の中南部のキジムナーは、男女の性別不明であるが、本部のセーマなどは男の人が寝ているときに襲って金縛りにするキジムナーは雌のセーマで、とても大きいオッパイを寝ている人の口に押しつけてくると言い、女の人を襲うキジムナーは雄のセーマだという。離島に伝えられるキジムナーの中には、お産をするキジムナーもいるので大人のキジムナーと子供のキジムナーも登場することになる。ただし、この話のように、人間に化けることができるキジムナーの話はあまり伝えられていない。

出典:「とかしきの民話」/発行:国立沖縄青年の家

 
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