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事例

キジムナーを妻にした

民話

キジムナーを妻にした

 昔、上殿内(いーどぅんち)という所の先祖が結婚したら、妻は夜にはやって来るが、昼になるといなくなったんですね。それで、その夫が、「これは変だ。こいつが行く所まで追って行ってみよう」と言って追って行くと、その妻はナガジョーという森へ行き、そこにある木の裂け目から中へ入りこんで行ったので、「ああ、私の妻は人間と思っていたら、キジムナーだったんだ。これはもうその木を焼き捨ててしまおう」と言って木に火をつけたそうですよ。するとそのキジムナーは、「お父う、もう私はここには住めないから、牧港に行きます。いつか牧港へ訪ねてきなさいね」と言っていなくなったそうですよ。
 あるとき、その男が那覇に向けて船を出したんだが、その船が流されて牧港に船はついたそうですよ。それで、船員たちが集まっている所でその男が、ついうっかり、「私の妻は、昼になると逃げていったりしたので、その住処の木に火をつけて燃やすと、住む所がなくなったから、牧港へ行くから牧港へ訪ねて来なさいね、お父うと言っていたよ」と、船員たちに話しているのをキジムナーがそばに立って聞いていたので、 「何だって、自然についた火だと思っていたのにつけ火だったのか、悪党め。」と言って、その男の船に船火事を起こしたという話でしたよ。

字渡嘉敷 故.金城和子(大正3年2月10日生)昭和54年8月26日聴取
※1.上殿内(いーどぅんち)
字渡嘉敷の屋号。かつては祝女を出したことがある家である。
※2. ナガジョー
昔の小嶺村(字渡嘉敷の西側)にある森で、綱引きのとき、そこで綱をなったという。

解説

 この話は、「報復型」とも呼んでいる話型で、沖縄本島や久米島、伊江島、粟国島などで聴取される話型である。一般にキジムナーは、友達になった者に多くの幸運を恵んでくれるが、もし、それを裏切った場合には、恐ろしい崇りをもたらす。その意味では、本土の河童と性格が類似している。大宜味村田嘉里には、家を建てるときに、手伝ってくれた話が伝えられており、その家では、今もキジムナーを神として祀っている。さらに、八重山にも、竹富島や黒島には、キジムナーと同類の神が家の建てるときに、手伝ってくれたので、落成式の祝賀会では、その神を家に招待してもてなす芸能が残されている。さらに、同じ八重山の鳩間島の豊年祭には、豊作の祝賀の行列の最初に立つのは、他の島の豊年祭りと同様のミルク神と呼ばれる豊穣神であるが、それに続いてマラタリミルクと呼ばれる一群が登場する。マラタリミルクは、鳩間島のキジムナーを意味するカムラーマとも呼ばれているが、素っ裸の幼い子供たちのことである。すなわち、マラタリミルクとは、チンチンが見える姿で登場するミルク神の意味であったが、現在は衣服を着けた子供達の行列になっている。本土の河童は、ミズシンやミズチとも呼ばれているように、本来は水の神が零落して現在の姿になったものであると言われている。沖縄のキジムナーも、本土の河童と同様に、古い時代には信仰に対象であり、その痕跡が沖縄本島北部の伝説、八重山の芸能、あるいは鳩間鳥マラタリミルクとして止められているものと思われる。

出典:「とかしきの民話」/発行:国立沖縄青年の家

 
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