渡嘉敷村の沿革(戦前・戦中)
周りを海に囲まれた渡嘉敷では古くから海を渡り交易を行い、琉球王朝時代には多くの男たちが進貢船や偕船の乗組員として活躍しています。
旧藩時代
座間味間切の番所に県庁の役人(在勤官)が駐在し、県の政策を間切に伝え、地頭代以下の地方役人らに指示して渡嘉敷、座間味両間切の行政を監督していました。
1264 | 文永元年 | 1264年英祖王時代に久米島、伊平屋と共に始めて入貢し公舘を泊村に建て諸島のことを始しむ人毎に一尺の稲を貢稲した。 |
1872 | 明治5年9月 | 琉球藩が設置される。 |
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廃藩置県後
明治12年の廃藩置県で沖縄県がおかれると、翌年にはそれまで座間味間切に駐在して渡嘉敷と座間味の両間切の行政を監督していた在勤官が廃止され、渡嘉敷は那覇役所長の統治下におかれたが、明治29年には那覇役所長の統治から離れ、島尻郡役所の行政区域に編入され、間切長は郡長推薦で知事から任命されるようになりました。明治41年、地方制度の改正で沖縄県島尻郡渡嘉敷村となり、間切長は村長に改称され、大正9年一般町村制が施行され、村長や村会議員の選挙が実施されました。
明治36年には鰹漁業が創業され徐々に規模を拡大し、昭和3年には20屯級の鰹漁船2隻が建造され、若い男子のほとんどがこの仕事に従事するようになりました。
1879 | 明治12年3月 | 琉球藩を廃して沖縄県が設置される。 |
1885 | 明治18年 | 番所教育の学校設置、初代教員玉元氏赴任。 |
1896 | 明治29年 | 小学校令施行、校長徳平秀郎。 |
1903 | 明治36年 | 鰹漁業創業開始される。 |
1905 | 明治38年 | 渡嘉敷小学校阿波連分校設置。 |
1908 | 明治41年1月1日 | 間切・島・村が、村と字に名称変更。 |
1908 | 4月1日 | 沖縄県島嶼町村制(特別制)施行。 前島分校設置、義務教育の延長、高等小学校設置。 |
1908 | 10月 | 松本権励が間切長から初代村長となる。 |
1909 | 明治42年4月 | 仲村渠光徳が村長に任命され月給12円、村議会議員選挙8名当選。 |
1914 | 大正3年 | 瓦葺校舎60坪建築。 |
1933 | 昭和8年 | 本校々舎並びに職員室併用瓦葺40坪増築。 |
1935 | 昭和10年 | 郵便取扱所設置される、所長徳平秀雄。 |
1937 | 昭和12年 | 村産業組合設立。 渡嘉敷三等郵便局開局。 村営診療所開設、所長新嘉喜倫元。 |
1938 | 昭和13年 | 農業実行組合設立。 |
1940 | 昭和15年 | 「紀元2600年」記念運動場2,300坪青年団その他の勤労奉仕で開設。 |
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戦 中
1941年12月大平洋戦争が勃発し、1945年(昭和20年)3月23日の正午過ぎから始まった米軍艦載機の空襲では、集落のほとんどが焼失し、全島が山火事となりました。その後も砲爆撃は続き3月27日に米軍は渡嘉敷島に上陸、翌3月28日の住民の集団自決では329人もの尊い命が奪われました。
1944 | 昭和19年9月8日 | 鰹漁船嘉豊丸、源三丸、神佑丸、信勝丸、同乗組員130人軍需部漁労班に徴用され、村営航路船嘉進丸、軍船舶隊に徴用される。 日本軍基地隊、鈴本少佐以下1,000有余人駐屯部落内民家、小学校々舎を隊員宿舎に充てられた。 |
1944 | 9月20日 | 赤松嘉次大尉を隊長とする特幹船舶隊130人入村、渡嘉敷、渡嘉志久、阿波連に駐屯。 |
1944 | 10月10日午前10時 | 米軍機来襲、始めて空襲を受く、鰹漁船嘉豊丸、源三丸、神佑丸、信勝丸被弾し死者が出る。 |
1944 | 10月 | 防衛隊員79名現地徴集された。 |
1945 | 昭和20年1月 | 青年会、婦人会に徴用令下る、学童6年生以上軍に協力す。 鈴木部隊沖縄本島へ移動、朝鮮人軍夫220人入村。 |
1945 | 3月23日 | 空襲を受け村役場、郵便局、国民学校、鰹製造加工場、村内主要建物は殆んど破壊され村民10名の犠牲者だす。 |
1945 | 3月27日 | 米軍、渡嘉志久、阿波連など南西海岸より上陸。 |
1945 | 3月28日 | 午前10時住民329人北山にて集団自決する。 |
1945 | 5月 | 伊江村民1,700名渡嘉敷部落へ移住。 |
1945 | 6月23日 | 牛島中将自決し沖縄における日本軍の組織的戦闘は終了した、本村の (全戦没者数)日本兵81柱、軍人軍属91柱、防衛隊42柱、住民380柱 計594柱(H20.3.28現在)。 |
1945 | 8月15日 | 米軍より終戦のビラ徹布、村民下山、渡嘉敷国民学校々庭にてテント生活営む。 |
1945 | 8月19日 | 日本軍赤松隊、国民学校々庭にて武装解除降状。 |