ヤギ
急斜面も何のその
切り立った山の斜面をさっそうと駆けていくヤギの姿は、渡嘉敷の特徴的な風景です。もともと野生のヤギが渡嘉敷にいたのではなく、昭和になってから人間の手で放たれ野生化したものです。初期に持ち込んだ、シマヒージャーと呼ばれる品種は小型で成長も遅かったようですが、第二次世界大戦後持ち込んだ種類:ジャーネン種は大型で成長も早く、最大100kgにもなるそうです。ジャーネン種はアゴの付け根に垂れ下がった2つの肉腫が特徴的です。二つの品種が野山に放たれましたが、大型種であるジャーネン種の方が広く繁殖しているようです。 ヤギが増え、食肉に利用するのはよいのですが、一方でヤギのエサになる草木類が減るのは心配です。テッポウユリが少なくなったというのもあるいはヤギの繁殖に関係があるかもしれません。人間の手で多くの動植物が自然の中に放たれる事例は少なくありませんが、いずれもその場の生態系に多かれ少なかれ影響を与えることがあります。これまでそこで生きてきた在来種に与える影響を考慮し、導入計画をする必要があるでしょう。座間味村の島々には多くのケラマジカが生息していますが、渡嘉敷島でもまれにケラマジカを見かけることがあります。 村道阿波連線の途中の渡嘉志久に下りる斜面で朝夕に大きな角の雄シカを見かけました。繁殖しているのか、座間味の島から泳ぎ着いたのか不明です。 |