オキナワハクセンシオマネキとノコギリガザミ
マングローブ域のカニ
干潮時に河口の砂泥の場所に近づくと、素早く穴の中に隠れてしまうカニがいます。しばらく待っているとどんどん出てきます。片方のはさみがとくに大きく、きれいな白色をしています。大きい方のハサミは目立ちますが、小さい方はほとんど見えません。カニ類の雌雄は腹の部分のふんどしでわかります。三角にとがっているのがオス、なめらかに円形になっているのがメスです。シオマネキ類の雌雄は大きなはさみで容易に区別することができます。 大きなハサミの第一関節の部分を曲げのばしして、振り上げたりおろしたりひっきりなしに振って、まるで手招きをしているようです。シオマネキ類がすんでいる場所は潮位と、底質の粒の大きさ、底質に含まれる有機物量に関係があります。 淡水と海水の混ざり合う汽水域には大型のノコギリガサミがいます。甲長は30cmにも達し、両方のはさみ脚を広げると70cm以上にもなります。オスはなわばり意識が強く、集中して生活することはありません。巨大なオスはハサミの開閉する奥が人間の臼歯のようで、貝を殻ごとわって食べることもあるようです。腹の部分のふんどしで雌雄を区別することができますが、大きなオスはツメが大きく目立ち、太さ1~8cmにもなり容易に分かります。 渡嘉敷の古い歌に「山の上から河口を見るとカニがハタ織りをしている」と歌われています。シオマネキ類の独特な動きを歌に入れたのでしょう。 |